【検証】ラーメンは体に良いのか

2023年6月24日

ラーメンは日本人にとって欠かせない食文化であり、多くの人に愛されていますが、一般的には「体に悪い」というイメージがあります。美味いものは身体か財布のどちらかに悪いって言いますし、果してほんとに体に悪いのでしょうか。今回はじっくり検証してみましょう。

ラーメンに足りない栄養って?

味にもよりますが、ラーメンには炭水化物、脂質、塩分が非常に多く含まれています。
一方でビタミンやミネラルなど、野菜から取れる栄養素が著しく欠けています。
そのためラーメンの食べ過ぎは肥満、高血圧といった成人病を引き起こす原因になりかねません。

ラーメンを食べる頻度が高い人は、栄養にかたよりが出ている可能性がありますので、一日の食生活を必ず見直すようにしましょう。

ラーメンやインスタントラーメンには多くの塩分が含まれている

人間の生命活動には塩が欠かせないことは良く知られていますが、取りすぎは帰って寿命を縮めてしまいます。具体的には、ガン、高血圧などの生活習慣病の要因になったり、腎臓へ負担をかけて体のむくみを起こします。ラーメンやインスタントラーメンに含まれている塩分は成人に必要な1日の塩分量を遥かに越えていると言われています。

これは醤油や味噌、豚骨などの味にはほとんど関係ありません。インスタントラーメンの場合は、スープだけではなく麺にも十分塩分は入っています。これは麺の製造過程でかんすい(アルカリ塩水溶液)という物質を添加するからです。塩分を多く入れているのは、味にインパクトを与えるためです。それにインスタントラーメンの場合は保存期間が伸びるのです。

ラーメンやインスタントラーメンには炭水化物がほとんどを占めている

ラーメンの麺は炭水化物(糖質)でできています。この炭水化物がラーメンの主な要素を占めています。炭水化物は血糖を上げます。血糖が上がった結果、糖尿病を引き起こしやすくなり、血圧が上がります。血糖値が上がった結果、血がドロドロになり、動脈硬化を起こしやすくなると言われています。

また、炭水化物はダイエットの敵とされていて、肥満の原因のひとつとされています。

ラーメンやインスタントラーメンには脂質が多く含まれている

脂肪分の多い食事は血液中の脂肪値を上げ、「脂質異常症(高脂血症)」の原因となり、動脈硬化や脂肪肝に繋がるとされています。もちろん、ダイエットにも脂質がよくないとされています。また、メタボお腹は『脂質』が大きな要因です。

ちなみに、豚骨ラーメンなどは特に脂肪分が多いのです。意外と知られていないのですがスープ以外に麺にも少量ですが脂肪分が含まれています。 

しかしこの点にでは、一般的な豚骨ラーメンに含まれている脂質の量は成人男性の1日に摂取する脂質の量より少ないとされています。これはラーメンの脂質が他の食べ物に比べて異常に高いという訳では無いことを表しています。

インスタントラーメンに関しては、発売されて間もない時期には、使用されていた油の質に若干問題があったが現在は品質には問題ないようです。インスタントラーメン自体は油で挙げた麺なため、チャーハンやコロッケと同じような食べ物と思います。さらに時間が経つと油が酸化してしまう問題もあるようです。過酸化脂質は有害で、一定量をネズミなどに与えると死んでしまいます。人の場合は胃痛や下痢を起こす場合があります。麺を油であげていない、ノンフライ麺もあるので過酸化脂質ができにくいです。ただそういうカップ麺も添加物が多いのでやはりおすすめできません。

インスタントラーメンには多くの添加物が含まれている

インスタントラーメンは美味しさ・見た目・保存性などを追求した化学調味料、添加物や保存料多く配合されています。10種類以上を使っている場合が多いですが、特に調味料のL-グルタミン酸Na(うま調味料、いわゆる味の素)が大量に使われている。これを摂取すると人によっては顔から腕にかけて熱くなったり、しびれを感じることがあります。ラーメンの独特のにおいや色を出すために使われる「かんすい」は麺を食べた際に口の中に違和感を覚えたり、胸やけを起こすことがあります。色を濃くおいしそうにみせるカラメル色素の中には発がん性もしくは疑いのある物質があるそうです。

主に使われているものとしては加工でんぷん、かんすい、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重曹、増粘多糖類、アルギン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリム、ペクチン、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、カラメル色素、ベニコウジ色素、香辛料抽出物などがあります。中には体内で消化するのに3日かかるようなものがあり、毎日食べてしまうとどんどん蓄積されてしまいます。

しかし現在では添加物に関して厳格なルール・規定があり、大量摂取できないようになっています。実際には有害だと言えるほど含有されていないといえます。

一方、グルタミン酸ナトリムの安全性に関する研究成果をもとに国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機構(WHO)のFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)がグルタミン酸ナトリムの安全性について評価を行い、使用量の制限はなく、大人から幼児にいたるまでどなたでも(妊娠している方、赤ちゃんにも)安心してご使用いただけ、安全であると評価しています。

ラーメンを毎日食べることは危険?

それでは、ラーメンを毎日食べることは健康に悪いでしょうか?

前述したようにラーメンのデメリットは、その栄養の著しい偏りにあります。
そのためラーメンの食べ過ぎは、ビタミン、ミネラル不足を起こし、便秘などの原因となります。
一方でラーメンを毎日食べていたとしても、バランスを考えた食事を一日のなかで取れば、体に危険が及ぶことはありません。

とはいえ、できれば毎日ラーメンを食べることは避けておきたいところです。
また、ラーメンに限らず、同じ食事をずっと続けることは栄養の偏りにつながりますので、ラーメン以外でも同じ食事を毎日食べることは避けておくべきでしょう。

健康的にラーメンを食べるためには?

それでもラーメンをなるべく多く食べたいという人に、健康的にラーメンを食べるコツを紹介します。

麺の大盛りは止める

炭水化物は麺に多く含まれています。
そのため栄養のバランスを考える上では、麺の量を減らすことが一番手っとり早くて効果的です。

スープはあまり飲まずに残す

塩分と脂質はスープのなかに多く含まれていますので、スープは残すようにして栄養のバランスを意識するようにしましょう。
また、味の調整が可能であれば、味は薄め、油は少なめにするなどの工夫をするとより良いでしょう。

野菜をトッピングする

ラーメンを食べる際にはトッピングとして、ネギやもやしなど野菜を多めに入れることがおすすめです。
卵やチャーシューも欲しいかもしれませんが、それらは炭水化物の摂り過ぎに繋がりますので、できるだけ控えることを心がけましょう。
もちろん一日のなかでラーメン以外の食事として、野菜を中心とした食事を取ることも大切です。

工夫次第で健康的にラーメンを多く食べることは可能です。
ラーメンが好きで回数を減らせない人は、一度の食事のなかでの栄養バランスを考えることで、健康的にラーメンを食べるようにしてみてください。

栄養バランスを考えた食事をとろう

今回はラーメンは体に悪いのかを検証してきましたが、栄養に偏りがあることから、ラーメンだけを食べつづけることは健康的に良くないことが分かりました。他の食事で栄養素を補いながらラーメンを食べることで、健康的にラーメンを食べていきましょう。